PIERCE BROSNAN
ピアース・ブロスナン


  5代目ジェームズ・ボンド。
  1995年 『ゴールデンアイ』
  1997年 『トゥモロー・ネバー・ダイ』
  1999年 『ワールド・イズ・ノット・イナフ』
  2003年 『ダイ・アナザー・デイ』
                             の計4作に出演した。
  

 (ショーン・コネリー+ロジャー・ムーア)÷2=ピアース・ブロスナン。
 よく言われる事だが、その通りだと思う。彼のボンドは、自分の中でどうしてもナンバー1
だったショーン・コネリーを超える存在となった。昔からのボンドファンであるうちの親父様
までが『今回のボンドはかなり良い』と言うぐらいだ。
 ブロスナン・ボンドは、これまでの全てのボンド役者の良さを兼ね備えている、と言っても
過言ではない。コネリーのような冷静さや非情さ、ロジャーのようなユーモアや軽さ、ダルトン
のような物腰の良さ。コネリーやダルトンでは言えなかったジョークも似合うし、ロジャーには
出来なかった冷酷さも彼にはある。
 落ち着いた仕草で決めてみせたかと思うと、アクションシーンの動きがまた機敏でどこを
取っても気に入らないところがない。個人的には、やはり彼がベストだ。
 何度かボンド候補に挙がりながらも、TVシリーズの契約などで断念した過去があり、彼
自身、車の中で決め台詞の練習などしながらチャンスを待っていたらしい。そして遂に念願
のボンドとなり、現在も続いている。インタビューに答えた中で、ショーン・コネリーのボンド
も良かったが、ロジャーのボンドも素晴らしかったと言う彼は、どちらかと言うとコネリー寄り
だったダルトンとは違い、ロジャー寄りの人間のようだ。そういえば、海軍の服装を着るシーン
があるが、海軍帽子をかぶるとどことなくロジャーの面影があるように見える。
 ボンドは、一度結婚し妻を亡くしているが、ブロスナン自身も『ユア・アイズ・オンリー』に出演
した妻:カサンドラ・ハリスを亡くしている。
 残念ながら、今回の新作(20作目)を最後にボンド役を降りる事が決まっているらしい。交通
事故に遭った息子の看病のためという事らしいが、とても惜しい事だ。