Epitaph



2009/1/1



何の種を蒔いたのか 知っているはず
それを咲かせるために 植えたのだから
何か こういう花が咲くといいな と
願って植えたはずだから

最初はできるだけ綺麗な水を沢山
眩しい光をいっぱい与えて
早く 早く咲きますように
強く 強く育ちますように

時には汚い水が必要だったり
日陰に隠れる事も大事だったり

長い長い道のりの途中
ふと思い出す
そういえば 何を咲かせようとしていたんだろう
思い出せなくて
悩んだり 迷ったり

そうして咲いた花が たとえ願いと違っていても
必死に育ててきたのなら
何も悲しむことなんてない

いろんな人から 水を 風を もらったはず
一人では手に入らない 光をもらったはず

「今こんな事をして育てているよ」
「こんな事があったよ」
「そっちはどう?」

出会い 話し 笑い 
ときに別れて 泣き また出会い
振り向けば
いつのまにか
最初に咲かせようとした花よりも
遙かに大きな
まだ名の無い 
その人だけの花畑が
繋がりという枝葉を伸ばして
見渡す限り広がっているから