007/GOLDENEYE
ゴールデンアイ
5代目ボンドにピアース・ブロスナンを迎え、全てが新しくなった
この第17作目で、ボンド映画は新時代に突入する
JAMES BOND/ピアース・ブロスナン BOND Girl/イザベラ・スコルプコ(ナターリア・シミョノヴァ) Enemy/ショーン・ビーン(アレクサンダー・トレヴェルヤン) Enemy部下/ファムケ・ヤンセン(ゼニア・オナトップ) M/ジュディ・デンチ ミス・マネーペニー/サマンサ・ボンド Q/デズモント・リューウェリン 監督/マーティン・キャンベル 音楽/エリック・セラ 主題歌/曲:歌:ティナ・ターナー ()内は役名 |
タイガーヘリコプターがデモンストレーション中に奪われた。その直後、セヴェルナヤの基地が秘密兵器『ゴールデンアイ』による攻撃を受け壊滅する。この攻撃には、タイガーヘリコプターの盗難にも関与したと思われる組織、ヤヌスグループが関わっている可能性が高い。Mは、ボンドに詳細の調査を命じる。 |
実際、当分の間007シリーズは作られず自分の中でも、もう終わったかなと思い始めた頃にこの作品が公開された。ピアース・ブロスナンの登場である。5代目ジェームスボンド。嬉しくて胸が踊った。相変わらず知らない俳優であったが、その風貌、セリフ遣い、動き、どれを取っても、自分の一番のお気に入りボンドになるまでさほど時間はかからなかった。はっきりいって、これほどカッコイイ男を今まで見たことが無い。今でもそうだ。 ピアース・ブロスナンのボンドには、ムーアには無かったコネリー的なシリアスな渋みもあれば、ティモシーダルトンに無かったムーア的な軽いユーモアもあった。何より、動きが軽やかなのだ。 オープニングは、決して忘れられない。もう終わったと思っていた007の復活。その幕開けのシーンは、『ああ、またこのでたらめに愉快なシリーズが戻ってきたな』と思わせるには十分な、とんでもない高さのダムからのバンジ−ジャンプだった。一人で劇場にいて、涙が出そうになった覚えがある。 ピアースブロスナンの動きの良さのせいもあるが、軽快な感じのテンポで物語は進んでいく。しかし、Mが女性になったのには心底驚いた。時代も変わるものだ。 ヤヌスに、『ジェームスボンドは友人を捨てても、任務をとる』と言われながらも、『任務は任務だ』と言う固い意思はまだまだ失われていない。ラストの、『国家の為か?ジェームス』と聞かれ、『いや、自分の為だ』と答えるところには胸をうたれる。あの何とも哀しそうな目が、早くも5代目ボンドを最高に押し上げているのだ。 かくして007は戻ってきた。 それも、格段にカッコ良くなって。 |